コラムサブタイトル

コラム

税務相談は税理士にしないと違法に?~罰則や罰金について~

2023.06.15

税務に関する疑問や迷いがある場合、誰に相談しますか?実は税理士に相談することが、大変重要なのです。税金に関連する具体的な相談は「税務相談」と呼ばれ、無料であっても、税理士以外が対応すれば違法となるためです。本稿では、税務相談の定義や違法時の罰則や罰金について解説します。

まず、税務相談は税理士の業務として税理士法で定められており、税理士以外が行うことは法律に違反します(税理士法第2条)。以下に、税理士のみが行える3つの「税理士業務」を紹介します。(なお、特定の条件を満たす弁護士や税務職員なども除外されます。)

1.税務代理

租税に関する申告・申請・請求・不服申立
税務官公署の調査や処分に対する主張・陳述など

2.税務書類の作成

税務官公署に対する申告に係る申告書の作成など

3.税務相談

具体的な申請書の作成は行わず、個別具体的な租税の計算方法などの助言のみ行う業務
具体的な税務相談の内容には、以下のようなものがあります。
・個人の所得税や相続税などに関する具体的な税の相談
・確定申告の手伝い
・法人の納税額の計算や節税対策の相談
・各税額から控除できる税額の確認
・課税標準の計算方法を教える
・税務調査の立会い
納税や還付金に関する具体的な税額や税の計算方法についての相談は、税務相談に該当します。
ただし、一般的な税の計算方法や税法のテキストに書かれている問題の解決方法などは、税務相談には該当せず、税理士以外が回答しても問題ありません。

将来発生する税額に関する相談は、「将来的税務相談」と呼ばれますが、これについては専門家の間でも意見が分かれています。例えば、将来の相続税額などです。しかし、税に関する事柄である以上、誤った判断をすると将来に影響を及ぼす可能性があるため、将来的な税に関する相談も税理士に相談することをおすすめします。

税務相談は、無償であっても税理士以外が行うことは違法です。 これは「無償独占」と呼ばれ、タダであっても専門家以外は行えない業務を指します。 なぜ税理士に限定されているのかという点については、税理士法第1条がその根拠となっています。

税理士は以下の使命を果たすために業務を行っています。
・独立した公正な立場で助言をすること
・申告納税制度の理念に沿っていること
・納税義務者の信頼にこたえること
・租税に関する法令に規定された納税義務の適正な実現を図ること
これらの使命を果たすためには、税理士は専門的な知識を習得する必要があります。そのため、税務相談は税理士のみが行うことができるのです。

非税理士が税務相談に応じた場合、2年以下の懲役又は100万円以下の罰金が課される可能性があります(税理士法第52条、同法第59条第1項第3号)。それだけでなく、依頼者にも被害が及ぶ可能性があります。例えば、脱税方法をアドバイスされたり、間違った申告書の作成方法を教えられたりすると、金銭や時間の負担が増える可能性があります。

では本物の税理士を見極めるにはどこを確認したらいいでしょうか。 以下の方法で本物の税理士であるかを確認することができます。
・税理士証票を所持しているかどうか
・税理士バッジを身に着けているかどうか
・日本税理士会連合会の情報に登録されているかどうか
また、資格があっても税理士名簿に登録されていなければ、本物の税理士とは認められません。

税金のことで困った場合は、信頼できる税理士に相談しましょう。具体的な税の計算方法や申告書の書き方など、非税理士が対応することは違法であり、違反者には罰則が科される可能性があります。
また、非税理士に相談した場合、申告間違いなどの問題が生じる可能性もあります。税理士は専門的な知識と経験を持っており、適切な助言を提供してくれる信頼できる存在です。税金に関する疑問や困りごとがあれば、迷わず税理士に相談してください。

最新の記事

相続税の納税資金を考える

2023.06.20

自計化するか否か。そのメリットとデメリットとは

2023.06.20