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コラム

自計化するか否か。そのメリットとデメリットとは

2023.06.20

自計化とは、経営処理に必要なデータを会計ソフトなどに自社で入力し、経理業務を自社で運用する方針のことを指します。従来は経理業務を税理士に委託することが一般的でしたが、自計化では会社自身が経理業務を行い、会計ソフトを活用してデータを管理・処理することで、効率化や情報のタイムリーな把握を図ることができます。

自計化のメリットは以下のようになります。

① 税理士との関係:自計化により、伝票作成と整理、仕訳入力から月次決算まで、自社で会計ソフトに直接入力を行い、その内容を税理士と共有します。税理士が随時内容のチェックを行うことで、これまでより税理士との連携もスムーズに行える上、丸投げしていた時よりも税理士の業務工数が減るため、記帳代行手数料を削減することが可能です。
② 経営状況の把握:自社で会計データを管理することで、経営状況や業績をタイムリーに把握することができます。これにより、現在の状況に基づいた経営判断や資金繰りの計画がしやすくなります。
③ 経理状況の把握・整理:自社で経理処理を行うことで、取引や入出金の把握が容易になります。心当たりのない取引やエラーを早期に発見し、原因究明や修正ができます。

一方、自計化には以下のようなデメリットも考えられます。

① 経理の負担増加:自社で会計ソフトへの入力作業を行うため、初めての場合は時間や手間がかかることがあります。また、経理業務に慣れていない経営者や従業員にとっては負担が増える可能性があります。
② 専門的な知識の習得:自計化には一定の経理知識が必要です。経理業務が本業ではない場合、知識習得に時間や労力がかかることがあります。
③ 顧問料削減やサービスのクオリティ向上に繋がらない場合:自計化によって会計事務所の工数が削減されるため、顧問料が削減されることが期待されます。しかし、その削減分がサービスのクオリティ向上に繋がらない場合もあります。
④ 設備費用の負担:会計ソフトやパソコンなどの設備を導入するため、初期費用やランニングコストが発生することがあります。

自計化と丸投げの違いは、経理業務の担当者が会社内にいるか外部に委託しているかという点です。自計化では会社自身が経理業務を行い、会計ソフトを活用してデータを管理します。一方、丸投げでは経理業務を外部の専門家(税理士や会計事務所)に委託し、記帳代行や経理処理を任せる形態です。

自計化を検討する際の注意点としては、以下の点が挙げられます

① 経理知識の確保:自計化には一定の経理知識が必要です。必要な知識を習得するか、経理担当者の育成を行う必要があります。
② ソフトウェアの選定:自社の業態や規模に合った会計ソフトを選定する必要があります。利便性や機能、コスト面を考慮し、適切なソフトウェアを選ぶことが重要です。
③ データのバックアップとセキュリティ:会計データは重要な情報ですので、定期的なバックアップとセキュリティ対策を行う必要があります。

成功事例としては、Money Forwardやfreeeなどのクラウド型会計ソフトを利用して自計化を実施し、経理業務の効率化や情報の把握を図る企業が多くあります。特に中小企業や個人事業主にとって、自計化は経理業務の負担軽減や経営判断の迅速化につながるため、積極的に取り組まれています。

自計化の導入を検討する際には、自社の業態や経営状況、経理業務の負荷などを総合的に考慮し、メリットとデメリットを比較検討することが重要です。導入には初期費用や教育コストがかかる場合もあるため、経営資源の状況や計画に合わせて判断することが求められます。また、導入後も適切な管理と運用を行うことで、自計化の効果を最大限に引き出すことができます。

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