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遺産相続から相続税申告までの流れ

2023.06.20

遺産相続は、予期せぬ出来事であり、一般的にはなじみのない手続きが多く、ルールや手順も複雑で神経を使うものです。しかも、最終的なゴールである相続税申告・相続税納付には、相続開始日から10ヶ月以内という期限が設けられており、手際よくこなしていく必要があります。この記事では、故人が亡くなってから相続税申告・納付までの一連の手続きの流れを手続きごとに説明していきます。

1. 遺産相続の発生

まずは、遺産相続の発生を確認します。故人が亡くなったことを確認し、相続が発生したことを把握します。この際には、死亡診断書や遺言書などの書類を確認することが重要です。さらに、故人の財産や負債を把握し、相続の対象となる財産を特定します。

2. 相続財産の評価

次に、相続財産の評価を行います。相続財産には、不動産、預貯金、株式、債権などが含まれます。それぞれの財産の評価額を算出し、合計したものが相続財産の評価額となります。公定価格や市場価格などの基準を用いて評価を行います。相続人にすべての預貯金や株式、不動産等が提示されていたとは限らないため、負債が残っている可能性がある被相続人であれば、相続人が「信用情報機関」に照会をかけて債務の全貌を明らかにしなくてはなりません。可能性がある場合は、早めに負債調査をしておくべきといえます。

3. 相続人の確定

相続人を確定させます。相続人は、法律に基づいて決まる順位に従って定められます。配偶者や子供、親族などが相続人となる場合が一般的です。相続人の確定には、戸籍や親族関係の証明書などが必要となります。被相続人が生まれたときからのすべての戸籍を揃える必要あるため、転籍などが多い人であれば被相続人だけで1ヶ月、2ヶ月かかる場合もあります。戸籍収集だけでも手間のかかる手続きですが、相続人の確定が正確にできないと、一旦、まとまった遺産分割協議も無効とされてしまいますので、相続人の確定作業である戸籍の収集を行い、相続人の漏れがないよう注意すべきです。

4. 相続手続きの開始

相続手続きを正式に開始するためには、相続人全員の同意が必要です。相続人全員が同意した場合、公正証書を作成することで相続手続きが開始されます。公正証書は、弁護士や司法書士などの専門家が作成します。公正証書には、相続人の同意や財産の分割方法などが明記されます。

5. 相続税申告の準備

相続税申告に向けて準備を始めましょう。まずは、相続税申告書の作成に必要な情報を集めます。これには、相続人の情報(氏名、住所、生年月日)、相続財産の評価額、控除額の計算などが含まれます。さらに、必要な書類や証明書(死亡診断書、預貯金通帳、不動産登記簿謄本など)を準備します。

6. 相続税申告書の作成

準備が整ったら、相続税申告書を作成します。相続税申告書には、相続人の情報、相続財産の評価額、控除額の計算結果などを正確に記入します。相続人ごとに個別の申告書を作成する場合もあれば、共同で申告書を作成する場合もあります。相続税申告書の作成には、税務署の指針や専門家のアドバイスを参考にすることが重要です。正確な情報の提供や必要な書類の添付に注意しましょう。

7. 相続税の納付

相続税申告書が完成したら、相続税の納付手続きを行います。相続税額は、相続財産の評価額から控除額を差し引いた金額です。納付期限は、相続開始日から10ヶ月以内となっています。期限を過ぎると延滞金や罰則金が発生するため、注意が必要です。相続税の納付方法や必要な手続きについては、税務署の指示に従い、必要な手数料や申告書の提出方法なども確認しておくことが重要です。

相続税申告と納付は、迅速かつ正確に行うことが求められます。手続きの流れや必要な情報を把握し、専門家のサポートを受けながら進めることで、スムーズな手続きを行うことができます。遺産相続や相続税申告は、初めて経験する方にとっては複雑でストレスを感じるものかもしれません。しかし、十分な準備と情報の収集、専門家のサポートを受けることで、スムーズに手続きを進めることができます。大切な故人の遺産を適切に処理し、相続税申告をきちんと行うことで、円満な相続の達成と財産の継承を実現しましょう。

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